ご挨拶
皆さん、こんにちは。東京情報大学の河野です。前回から1年半振りの更新となってしまいました。
大学では、4年生は卒業論文の追い込み、3年生は就職活動が始まる時期です。今年は河野ゼミ発足12年目で最初の大学院生3名がいよいよ修士論文をまとめようとしています。また、4年生のうち2名は大学院進学を予定しており、研究活動の進展を期待しているところです。
思えば、現在の修士2年の3名が進学しようか考えていたとき、10年振りくらいにネットワークゲームの研究を再開しようとしていました。「このテーマだと大学院でじっくりと3年計画で進めるのがよい」と話したことで、3名とも進学を決めたと記憶しています。
この時期に思うのは、「この学生は進学するといいのに。このまま卒業するのはもったいない」という学生が毎年必ず1人はいることです。本格的に卒論に着手して半年程が経った大学4年の12月頃に、研究の基本が身に付いてきてようやく使える人材になってくる印象です。そのまま就職してもある程度は活躍できるでしょうが、あと2年あればもっと成果が出るだろうにもったいないと思うことが多いです。そこで今回の記事では、大学院進学のススメをテーマにお話しします。
大学院とは?
大学院とは、学部卒業後さらに学問を究めるための研究を中心とした高等教育機関です。大学院でも単位修得のために授業はありますが、学会発表や論文投稿、学部生の指導などの研究活動が中心で、修士課程は2年、博士課程はさらに3年の研究期間で最終的に修士論文、博士論文をまとめます。
この記事の読者が大学院進学を少しでも検討している学生の皆さん、社会人で学位取得を目指している方、あるいは既に大学院を修了されて活躍している方と想定して話を進めます。最終的に進路を決めるのはあなた自身ですが、様々な情報を得た上で選択肢の一つとして進学を検討するのと、限られた情報の中で進学が選択肢から除外されるのとでは、進路選択の結果や数年後の納得感に違いが生じると思います。その積み重ねの結果によって、10年後、20年後の未来は随分と違ったものになるでしょう。
もしあなたが大学院進学を少しでも検討しているならば、ぜひ進学した先輩や大学の先生、大学院を修了した社会人の方に話を聞いてみてください。身近な友人や先輩、ご両親、大学のOB・OGなどの話も参考になる部分はあると思いますが、大学院の仕組みや研究生活を知らない方に聞いても、そのメリットを理解することは難しいと思います。
そもそも大学院に進学するメリットとは何でしょうか?あるいは、私を含め大学教員がなぜ口を揃えて優秀な学生には大学院進学を勧めるのでしょうか?