本日、2015年5月29日で34歳となりました。お祝いのメッセージをお送り頂いた皆さま、これからお祝いしてくださる方々、どうもありがとうございます!無事にここまで生きて来られたことに感謝しています。
さて、毎年恒例で行っている自己分析も今年で5年目となりました。今回は、昨年の自己分析を振り返った上で、今年の自己分析を行います。
Salerno, Italy, September 12, 2014.
昨年の振り返り
まずは、昨年の自己分析(参考:2014年の自己分析:今年のテーマは重要事項を優先する)を振り返ります。毎年、バリュー(価値観)、ミッション(使命)、ストラテジー(戦略)の3つの軸で自己分析を行っています。昨年掲げたものは以下のとおりです。
- バリュー
- 穏やかに楽しく生きること
- ミッション
- 研究者として、計画的に研究成果を論文として発表すること
- 教育者として、研究活動を通じた切磋琢磨の場を学生に与えること
- 家庭人として、自分と家族が心身とも健康に過ごせること
- ストラテジー
- 研究成果を定期的にまとめ、年間3本以上の論文投稿を行うこと
- 新規性の高い研究テーマに集中し、学会発表を積極的に行うこと
- 河野ゼミの目指すべきビジョンを学生に示すこと
- 学生が興味を持てるような研究テーマに導くこと
- 定期的な運動習慣を持ち、健康維持に努めること
- 適切な飲酒量を心掛けながら、好きなワインは愉しむこと
- 重要事項を優先し、すべきでないことには"NO"と言うこと
上記のストラテジーをもとに自身の活動を振り返ります。まず、1の論文投稿について、昨年度取り組んだ研究の中で論文投稿できる可能性があったものは3件ありました。そのうち2件は、現在執筆を進めていますが、まだ投稿には至っていません。別の1件は、大学紀要には投稿できましたが、十分な評価はできていないので、今後計画を立てて研究を進める必要があります。
任期付きの大学教員にとって、論文投稿は特に重要な第二領域(緊急ではないが重要)の活動といえます(時によっては第一領域)。論文業績は、専任化や昇格、科研費獲得など仕事面での評価につながるだけでなく、自身の専門性確立と今後の職業人生に大きく影響します。しかしながら、この1年を振り返ると、十分な「効果」を発揮することはできなかったと反省しています。忙しいと理由を付けて、「本当はやりたくないのでは?」と思うことさえあります。計画はできても、実行力がないことが課題です。
2の学会発表については、学生2名の発表を含めて、国内6件、海外1件の発表ができました。他大学の研究者の方からコメントを頂き、研究が進展したこともありました。論文投稿できるまでにはもう少し時間は必要ですが、ある程度は成果が出そうな研究に集中することができたと思っています。
3の河野ゼミのビジョンについては、ゼミのガイダンス資料(参考:2015年度 河野ゼミ ガイダンス資料)で示したとおり、河野ゼミの目指すべき方向やマイルストーン、卒論執筆のためのチェックリストなどを提示しました。河野ゼミのコアバリュー(河野ゼミ訓)を皆で共有できるように、ワークショップを通じてゼミ生の宣言ツリーも作りました。ただし、ビジョンを共有できるよう試行錯誤で工夫してはいますが、まだまだゼミ生全員に十分に伝わっているとは言い難い状況です。その辺りについては、私の研究分野における立ち位置を改めて考える必要があると考えています(詳細は後述)。4の研究テーマも同様で、プロジェクト研究として、「なりたい自分プロジェクト」や「佐原ソーシャルライブラリ」などを提示していますが、今年度のゼミ配属は4名とかなり少人数で、多くの学生に興味を持ってもらえるには課題があるようです。
5、6の健康とお酒については、概ね達成できています。先日の健康診断では、継続的な食生活の改善により、昨年に比べて減量ができたようです。会う人にも顔つきや首周りの印象が変わったと言われます。週1回程度でジムに通い、トレーニングやヨガに取り組んでいることもよい影響を与えたと思っています。お酒に関しても、あまり我慢するのではなく、ワインを中心に適度に愉しむことができています(妻からはたまに飲み過ぎと言われますが。。。)。
7の重要事項については、7つの習慣の考えに基づいて、重要度を意識した生活を徐々に送ることができています。昨年度卒業生の能勢 孟臣君が開発した第二領域時間管理システム「Self-reflector」を継続的に利用することで、重要度中心の生活が意識できるようになりました。しかしながら、真の意味で重要事項を優先し、すべきでないことすべてに"NO"と言えるよう心を強く持てる段階には至っていません。そのためには、自分の中の「核」となるものをより明確にしなければなりません。
図1.Self-reflectorの実行画面
2015年のバリュー、ミッション、ストラテジー
以上を踏まえ、今年のバリュー、ミッション、ストラテジーを以下のように掲げます。- バリュー
- 穏やかに楽しく生きること
- ミッション
- 地道にコツコツと研究を進め、論文投稿すること
- 心身の健康に留意して、日々の活力を充実させること
- 大切な人達の声に耳を傾け、相手が大切にすることを自分も大切にすること
- 研究活動を通じた教育を実践し、学生とともに成長できること
- ストラテジー
- 丹念に現象を観察し、研究に必要なデータを収集すること
- 人や地域、組織などの社会的課題に対して、ITによる解決策を着想すること
- 適正な食事量を意識して、栄養・体重管理に努めること
- 自分の心と身体の平穏のための運動を心掛けること
- 相手の話を最後まで聞き、相手の人となりや考え方を理解すること
- 相手と自分の価値観を見極め、相乗効果を探ること
- 在り方(Being)に対する問い掛けを意識し、学生の主体性を育むこと
- 学生指導を通じて、自分自身の専門性を高めること
ミッション1(知性面)は、明らかに朝ドラの影響が出ていますが、研究においては丹念に現象を観察し、その結果をまとめ上げる姿勢が重要です。まさに、「地道にコツコツ」ですね。そこで、ストラテジー1、2を実践し、効果的なデータ収集と研究の位置付けを行います。研究の位置付けについては、自身の研究分野の立ち位置を検討しましたので次節にて説明します。
ミッション2(肉体面)は、日々の活力を充実させるための健康維持についてです。ストラテジー3、4が対応しており、食事と運動のバランスが重要です。食事は、炭水化物を控えめにし(と言っても、ご飯は小さめの茶碗で、おかわりはあまりしないくらいです)、「つるつる飲むな、よくかめかめ」の教えでよく噛んで食べることを心掛けます。運動については、今は週1回程度でジムに通って、ヨガやウエイトトレーニングを行っているので、それを継続したいと考えています。
ミッション3(社会・情緒面)は、第5の習慣「まず理解に徹し、そして理解される」を意識したもので、これは私にとって最大の課題の1つです。気付いたら自分のことばかり話していて、相手の気持ちを読み取ることが苦手です。ストラテジー5、6が対応しており、人と話す時には、その人が何を大切にしているか(価値観)を汲み、相乗効果を発揮できるように考えます。
ミッション4(精神面)は、大学教員の責務として、より優秀な学生を世に送り出すことで社会貢献を果たそうとするものです。これは、ストラテジー7、8が対応しています。そのためには、学生の主体性を育む教育を実践し、それを通じて自分自身の教育能力や専門性を高めていきます。学生の主体性を育むためには、ただ教えるのではなく、対話により学生の内面の在り方に働き掛け、行動を促す仕掛けが必要です。これは、コーチングの考え方で、やり方(Doing)ではなく、在り方(Being)に働き掛けるものです。加えて、「研究活動を通じた教育」の意味では、『卒業研究』が極めて重要な役割を担っています(参考:就職活動と卒業研究の相乗効果)。卒業研究は、主体性を育むための最も効果的な教育手法の1つと考えています。これらの教育研究活動を通じて、自分自身がより成長できればと思っています。
研究分野の立ち位置
さて、最後に私の研究分野の立ち位置を説明いたします。下の図をご覧ください。
図2.研究分野の立ち位置
この図を見て、私がどの位置に立っていて、どの方角を向いているか分かるでしょうか?
真ん中の「社会情報学」の左右に「IT」と「社会」の項目があります。端から見ると、右側の社会系のテーマを研究しているように見えるかも知れません。システム学科唯一の文系と言われたこともあります。自己実現や情報リテラシー、地域活性化の研究に取り組んでいるので、確かにそう見えることもあるでしょう。
私の研究分野の立ち位置は、『ITの上に立ち、社会の側面を見ています』。言い換えれば、人や地域などの社会的課題に対して、強みであるITを使って、課題を解決することです。ITを使えば、高速にデータを処理したり、大量のデータを保管したり、それらを他者と共有したりなど、ITを使うことで解決できる社会的課題があるはずです。この辺りの方針を周りの人達や、特にゼミの学生には知っておいて欲しいと考えています。
以上が2015年の自己分析です。参考までに、これまでの自己分析を以下に示します。このバリュー、ミッション、ストラテジーに基づき、「穏やかに楽しく生きる」を実践していければと思っています。それでは、これからもよろしくお願いいたします。
2014年の自己分析:今年のテーマは重要事項を優先する
2013年の自己分析:今年のテーマはモチベーション
2012年の自己分析(誕生日を迎えて)
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