2013年11月20日水曜日

河野ゼミの研究方針2013年

皆さん、こんにちは。
外の空気が少しずつ寒くなり、冬が近付いて来たのを感じます。

私のゼミでは、4年生の卒業論文がいよいよ追い込みの時期です。是非とも自分で納得のできる卒業論文を仕上げて欲しいと思っています。

その一方で、来年度のゼミ募集が始まり、研究室の体制も徐々に変わりつつある中、ゼミの研究方針について考えているところです。昨年もこの時期に同じテーマで記事を書いています(参考:河野ゼミの研究方針)。読み返してみると、想いは感じられるもののあまり具体性はなく、中身が少し薄い気がしますね。以下は昨年掲げた研究の進め方です。
  1. ソーシャルメディアを駆使し、最新の技術動向を追い続ける
  2. 周りの人々を巻き込むようなアントレプレナーシップを身に付ける
  3. 新しいサービスの企画・開発を繰り返す
  4. スタートアップを目指す!
この1年で研究が進むにつれて、研究方針も固まってきましたね。そこで、私の意見を述べたいと思います。


社会的課題をシステムで解決する

まず基本的な考え方として、システムを実現するための技術はあくまでも手段であって、真に解決すべき課題は社会の中に存在するものです。我々の問題意識は、地域社会や環境、人間関係の中にあります。

このような社会的課題は、様々な要因が密接に絡み合った複雑な状態となる場合が多く、システムだけでは解決できないことがあります。当然一人では解決することはできないため、関わる人達の役割分担や運用面など、体制作りまで含めて研究の課題となります。

引き算で勝負する

様々なところでも言われていますが、『よいものはシンプルで美しい』ものです。



何らかのシステムを作る際にあらゆる事態を想定し、それらすべてに対応できるよう多くの機能を付け加えることは、技術的にはもちろん可能です。ただそうすると、開発のコストは膨れ上がり、システム自体もあまり捉え所のないものに仕上がってしまう可能性が高いです。それに、いくら機能が充実していても、現時点で多くの人々に利用されているFacebookやLINEなどと同じ土俵で勝負しても到底敵うものではありません。

そこで、私のゼミでは、足し算ではなく『引き算』で勝負をします!

例えば、現在ゼミの学生が開発を進めている中に、「その時々の感情を記録していくアプリ」があります。通常であれば、LINEのスタンプ機能を利用し、自分だけのメモとして残すことで十分対応できます。ただし、それだとテキスト入力や他者とつながる機能が逆に障壁となり、純粋な感情の記録を阻害する要因となり得ます。この辺りは、心理学や脳科学の理論が関係していますね。

このように、他の研究分野との組み合わせにより、研究の位置付けを行う点にオリジナリティがあると考えています。『情報』とは、他の分野同士をつなぐことのできる学問であるため、このような多様な研究分野との連携には非常に適しています。

研究テーマは楽しいこと、ポジティブなことが大切

研究テーマ自体は、楽しいことポジティブなことを大切にしています。どうやったら楽しくなるかを考えた方がより建設的です。最近ではポジティブ心理学にも注目していて、人間の心理にも踏み込んで自己実現を促す仕組みを考えています。

現在、私のゼミでは、人々の『主体性を育むこと』に主眼を置いて研究をしています。是非、前向きな議論ができる仲間が欲しいと考えています。興味のある方はどうぞお声掛けください。お待ちしております。

それでは、次回もよろしくお願いいたします。