2012年1月5日木曜日

ソーシャルメディアは実際に使ってみないと分からない

ここ最近、ソーシャルメディアに関する講演をさせて頂く機会が何度かありました。このような機会を頂くのは非常にありがたい事です。

講演資料はSlideShareで公開しており、「第5回SNS講座20111213」や「ソーシャルメディアの使い分け」などのスライドは比較的多くの方に見て頂いているようです。

そういった活動の中、ソーシャルメディアの利用について感じていることがあります。それは、「ソーシャルメディアは実際に使ってみないと分からない」、「目的を持って使わないとあまり効果が得られない」の2点です。

ソーシャルメディアは実際に使ってみないと分からな
ソーシャルメディアは実際に使ってみないと、使うことにどのような意味があるのか、どう活用していけばよいかなど、本当のところは分からないと思います。関連書籍やネットの記事を読み、使い方や最新動向などの知識を得たとしても、実感が伴わないと分からない部分が多くあります。

興味のある情報を収集したり、情報発信して自分のプロモーションに活用したり、旧交を温めたり、勉強会に参加して見識を広げたり、人脈作りに活用したりなど、自ら実践しないと気付かないことがあります。私自身もTwitter、Facebook、LinkedIn、Google+、foursquareなどのソーシャルメディアを実際に(適宜実験を交えながら、かなり意識して)使ってみて、それがリアルでの活動につながり自分の世界が広がったと感じています。

ソーシャルメディアを使うこともせず、「Twitterは炎上しやすいから危険だ」、「Facebookは自己PRに役立つ」、「LinkedInは日本では普及しない」などと言ってもあまり説得力がないように思います。ソーシャルメディアは単なるつながるきっかけの1つですが、実際に使ってみると、どのような意味があるのか実感できると思います。

是非、ソーシャルメディアを実際に使って感じてみましょう!

・目的を持って使わないとあまり効果が得られない
例えば、Twitterを何気ない日常の出来事や独り言をつぶやくことに使っている人もいると思います。そういった使い方もよいと思いますが、自己PRやプロモーションに使おうと思った場合、使い方を考える必要があります。どうでもよいことをつぶやくのではなくて、意味のある(フォロワーにとって価値のある有益な)つぶやきが求められます。

Twitterにそのような使い方があることを知らない人もいるようですが、目的を持って使えば当然得られる効果も違います。自分の専門性(自分の得意なこと、得られた知見など)を積極的にアピールしていけば、注目してくれる人がいるかも知れませんし、そこから人脈が広がったり、何か新しいことができる可能性もあります。したがって、自分自身の目的を持って活用していくことが肝要です。

何かするにしても一人ひとり目的が違うでしょうから、どう活用していくかは各自が考えて実践していく必要があります。使い方や機能を覚えるだけでなく、どう活用していくかを一人ひとりが考えていければと思っています。

2012年1月3日火曜日

2011年の振り返り&2012年の抱負

少し遅いですが、2011年を振り返ってみると、3月の震災、4月の転職&単身赴任、7月の結婚式、9月の新婚旅行と様々な出来事、そして多くの出会いがありました。私にとって、本当に激動の一年でした。

<震災>
3月11日に発生した東日本大震災、当時私は日立市にある茨城大学の研究室にいて被災しました。幸い、家族は無事でしたが、妻とともに3日間避難所で生活しました。電気・ガス・水道のない生活は初めてで、「水」の大切さを痛感しました。ネットにもつながらず、自分達の置かれている状況が分かったのは、震災発生の数日後でした。

自宅のあるひたちなか市はなかなか水道が復旧せず(実際復旧したのは二週間後)、電気復旧後は日立市の妻の実家で二週間ほど避難していました。妻の実家は山水があり、なんとか普通に生活できたことに感謝しています。山水といっても、本当においしい水で近隣でも水道水として使っています。※妻の実家は市の水道が届かない山奥なのです。

震災の影響で、一週間後の新婚旅行は中止となり、6月の結婚式も式場の補修作業で延期となりました。妻も私も楽しみにしていたので本当に残念でした。

このような混乱の中、4月から東京情報大学に赴任することとなり、家族の助けを借りながら茨城から脱出するかのように千葉に引越しました。東京方面に出て驚いたのは、「街が普通に動いている」ことです。茨城では街の明かりが少なく、常磐線も不通で道路も通行できないところが多く、だいぶ印象が違っていたことを覚えています。

震災では、本当に「人と人とのつながり」が大切だと実感しました。

<東京情報大学>
4月には、東京情報大学情報システム学科の助教に着任しました。大学教員というのは初めてで、助教から自分の研究室を持つこともできました。大学ではプログラミング、情報リテラシーなどの授業を担当する傍ら、ゼミでは「ソーシャルメディア」について研究を進めています。授業と会議は仕事という感じがありますが、それ以外の時間は学生と話したり、研究をしたり、いろいろな方々とお会いしたりと自由で、本当に有意義な毎日を過ごしています。大学も学科や各研究室がフラットというかアットホームな感じで、気軽に他の先生方の研究室を訪ねることができ、すごく居心地がいいです。

また、大学前から東京までの高速バスが出ており(乗車時間は一時間ほど)、東京で人と会うときにはよく利用しています。特にTwitterがきっかけで@taniyangさん、@takashi_ohmotoさん、@naokitakagawaさん、@masahirotokumoさんと知り合うことができたのは、私にとって大きな財産といえます。本当に「ソーシャルメディアでのご縁」に感謝しています。

<結婚式&新婚旅行>
7月には、震災で延期していた結婚式を行うことができました。「海の見えるウェディングパーティー」と題し、補修作業の終わったアジュール日立で式を挙げました。茨城大学での恩師や仲間、前の職場でお世話になった社長や先輩など多くの方々をお招きして、これまでの感謝の気持ちを伝えることができました。一番やってよかったなと思うことは、「感謝の気持ちをプレゼン」したことです。結婚式での余興の一つとして、これまでお世話になった方々を紹介するとともに、感謝の気持ちを伝えました。出番が多くあまり料理を楽しむことはできませんでしたが、本当によい結婚式であったと思います。

9月には、新婚旅行でイタリアに行きました。その直前にはアルバニアで学会があり、ローマ経由で成田に着いて一泊し、そのままイタリアに向かうという強行スケジュールでした。旅の軌跡はTripline「NBiS 2011 & HoneyMoon」にまとめておりますので、ご興味がありましたらご覧ください。

<2012年の抱負>
2012年は、今進めている「ソーシャルメディアを活用したキャリアデザイン支援プロジェクト」をさらに推し進めたいと考えています。ソーシャルメディアを通じて知り合った方々、学生、大学の就職課など多くの方々を巻き込んでいきたいと思っています。特に重要となるのが学生の協力で、彼らをどう「inspire」するかが課題ですね。

もしご興味がある方がおりましたら、お気軽にご連絡ください。
それでは、本年もよろしくお願いいたします。

2012年1月2日月曜日

「穏やかに楽しく生きる」研究者のブログ開設

皆様、はじめまして。

東京情報大学で教員をしております河野義広と申します。
現在、「ソーシャルメディアの社会的影響」をテーマに研究しています。
どうぞよろしくお願いいたします。

2012年の年明けを機に、自分の考えや活動内容、これからの目標などを書く場としてブログを始めることにしました。

ブログのタイトルは、「穏やかに楽しく生きる」研究者のブログです。けっこう悩みましたが、自分が最も大切にしていることをタイトルに選びました。まず初回は、このタイトルに決めた経緯をお話します。

これは「理系のための人生設計ガイド(坪田一男著、講談社)」で紹介されている自己分析「バリュー(価値)」、「ミッション(使命)」、「ストラテジー(戦略)」における私の「バリュー」そのものです。ここでバリュー、ミッション、ストラテジーについて簡単に説明します。

バリュー:自分が何に対して価値を感じ、何を最も大切に感じるか
ミッション:本当にやりたいこと、神様にやれと命じられているくらいの使命や天命
ストラテジー:「バリュー」と「ミッション」を具現化するための道筋

この指針をもとに、2011年5月29日(30歳の誕生日)に書いた私の自己分析です。こういった目標を書くのは非常に大切だと思いますので、是非皆さんも試してみてはいかがでしょうか。また、定期的に自己分析の結果を見直すことも大切です。

  • バリュー
    • 穏やかに楽しく生きること
  • ミッション
    • 地域社会に貢献できる研究成果を挙げること
  • ストラテジー
    1. 常に時代の最先端を追い続けること
    2. よりよい人脈を築くこと
    3. 社会センスのある学生を引き込むこと
    4. 意識の高い学生を育てること
    5. より多くの研究成果を論文にまとめること
    6. 教授になること
    7. 自分と家族が心身ともに健康であること
    8. 東京・神奈川に住むこと

上記のバリュー「穏やかに楽しく生きること」を大切に、研究者であることを踏まえたタイトルにしました。研究者というと、「朝から晩まで研究室にこもって実験し、俗世間から浮いた人」というイメージを持たれる方もいるかも知れません。ただ私が目指す研究者は、いろいろな人と会って話をしたり、社会の中で起きている問題を見つめたりして、『社会』『学生』『大学』への貢献を志す人物です。やはり、研究のための研究ではあまり意味がないと思っていて、「研究成果を地域社会や学生・大学に還元できること」が大切だと思っています。これが今の私のミッションになっています。

これらを通じて、「穏やかに楽しく生きること」ができればうれしい限りです。

最後に、このバリュー、ミッションを実現するための具体的なストラテジーを8つ挙げます。ストラテジーの1,2はソーシャルメディアを活用することである程度実現できつつあります。ソーシャルメディアを研究テーマとしつつ、自分でも使いこなしてみるというのは非常に効率がよいように思います。3,4は今まさに取り組もうとしている課題で、「パーソナルブランディング」のキーワードで進めています。※詳細は別の機会に書きます。

5は研究者として極めて重要な仕事なのですが、今の成果が出るまでには少し時間が掛かりそうですので、今書けるテーマで論文を書いていく必要があります。6,7,8は自分の思うように研究を遂行するための環境作りといえます。

教授になれば、研究テーマの設定、専門分野での授業、研究資金の融通、学外の人との協働などの面で動きやすくなるのではと考えています。あと、健康は一番大事ですし、東京に近ければ最新の情報が入手しやすかったり、様々な人と出会うきっかけが得やすいのではないかと考えています。

それでは、これから様々なテーマをもとにこちらから情報発信をしていく予定です。
今後ともよろしくお願いいたします。